時間があるので、せっかくインターネットで購入しておきながら放ったらかしだった「世界のビール」をいただこうと思います。
ご覧ください、この顔ぶれを!
左から、シンハー(タイ)・レーベンブロイ(ドイツ)・ギネス(アイルランド)・バスペールエール(イギリス)・カールスパーグ(デンマーク)・ハイネケン(オランダ)・青島ビール(中国)です。ちなみに、ほとんど空瓶です・・・(最初に撮影した写真をうっかり消してしまったので・・・)。
これを全て飲み、私が最も好む「ヱビスビール」と比較した感想を述べていきます(後日談:結局1日で5本しか飲めず、残り2本は翌日飲みました・・・)。
全てのおつまみは、カルビーのポテトチップス、海苔塩味です・・・(情けなや・・・)
カールスパーグ
デンマーク王室御用達のビールです、こう聞いただけで高級感漂ってきます。原材料は麦芽とホップのみの、正統派のラガービールです。味はヱビスビールに似た濃厚な味わいですが、ヱビスよりも甘みが強く感じられます、ホップの効きをやや押さえているようです。「ビールは苦いもの」とはいいますが、カールスパーグを飲むと、ビールは日本酒と同じ醸造酒(非蒸留酒)なんだと実感します。
レーベンブロイ
ビールの本場ドイツのメジャーなラガービールで、こちらも原材料は麦芽とホップのみ。麦本来の味わいが楽しめますが、濃厚さが今一つといったところです。アンチヱビスの立場て言えば、「味わいは深いがキレがいい」ですが…。
ギネス
アイルランドの黒ビール(スタウド)です。私は黒ビール系統はどうも取っつけないのですが、この「ギネス」だけは美味しくいただけます。まろやかな口当たりと、焙煎味をかき消すホップのバランスが取れているのだと思います。
シンハー
タイのラガービールです。ピリッとしたのどごしと濃厚な味わいですが、やや甘さが目立ちます。もう少しホップを利かせてもいいかなあと言うところですが、カールスパーグ同様に好きな味です。
青島ビール
かつてドイツ租借地だった青島(チンタオ)だけあって、レーベンブロイと味わいは似ています。キレはいいのですが、私からするとレーベンブロイよりやや淡白な気がします。中華料理、特に脂っこい料理には合いそうです。アルコール度数は若干低めの4、7%です。
ハイネケン
オランダの正統派ラガービールです。ヱビスビールには及ばないものの、麦の味わい・濃厚さ・ホップの効き具合すべてバランスが取れています。スーパーなどでは缶入りがよく流通しています。缶は日持ちはいいのですが、缶コーヒー同様に缶由来の味がついてしまうので、やはり私は瓶の方が好きです。
バスペールエール
日本では馴染みの薄い上面発酵ビール(エール)です。上面発酵・下面発酵については後述しますが、実は今回のブログの主役(?)的存在です。日本で一般的なビール(ラガー)とは異なり、麦本来の旨味よりもフルーティーな味わいとホップの酸味が特徴です。私はこれをビール」と受容するにはまだ未熟ですが、エールにはエールの旨味があると思います。
以上が、私が世界のビールを飲んだ感想です。
さて、本題の「ビールはなぜ高いのか?」に入る前に、先ほども登場した「エール」「ラガー」について説明します。
「エール」とは、ビールの2大潮流の1つで、常温で急激に発酵させたものです。常温でビールを発酵させると、酵母は二酸化炭素を出しながら上のほうへ浮かんできます。このような発酵を「上面発酵」といいます。
「ラガー」とは、同じくビールの2大潮流の1つで、低温(10℃以下)でゆっくりと発酵させたものです。酵母は大人しくゆっくり活動するので、だんだん底のほうに溜まっていきます。このような発酵を「下面発酵」といいます。
したがって、「エール=上面発酵」「ラガー=下面発酵」と言ってもいいでしょう。
冷蔵庫のない時代、ビールといえばほとんどが「エール」でした。ビールを醸造するのに特別な設備がいらず、最悪「ビール樽」だけあればビールが作れたのです。
「エール」は急激に発酵が進むので、麦本来の旨みは弱くなり、発酵によって生じた有機酸などによってフルーティーな味わいとなります。甘みも強くなる傾向にあるので、ホップを利かせてバランスを取る必要があります。
一方のラガーは、低温でゆっくりと発酵させる事により、麦本来の旨みを保ちながら、まろやかで濃厚な味わいに仕上げる事が出来ました。しかし、冷蔵庫のない時代、山間部の洞窟などごく一部でしか製造できませんでした。
ここでまとめをすると、次のようになります。
エール:常温で発酵させる。
特別な設備がいらない(樽だけあればいい)
小規模な業者(地ビールなど)向き
味わいは軽くフルーティー
1回ごとの発酵で、品質にバラツキが出やすい。
ラガー:低温で発酵させる。
大規模な冷蔵設備が必要(金がかかる)
大工場向き
味わいは濃厚で、麦本来の旨みが豊富
1回ごとの発酵で、品質にバラツキが出にくい。
ヨーロッパで「産業革命」が起こると、品質にバラツキが出る事や庶民の嗜好の変化により、エールは廃れてラガーが主流になっていきました。
さて日本では、徳川幕府が崩壊して明治新政府が誕生します。しかし、明治政府ははっきり言いますが「金持ってない・・・」、何をやるにも「金が足りない」状態でした。
明治の日本にもビールはもたらされますが、「ラガー」のような大規模な設備がいるビールは大都市圏でしか作る事が出来ず、ほとんどの地域は「エール」をチビチビと発酵していました。明治時代は、いわば「地ビール」ブームだったのですね。
当初、ビールには税金がかけられていませんでした。かけられているのは、日本古来の酒「日本酒」「焼酎」ですが、当時の酒税はべらぼうに高い!。何せ「テレビもねー」「ラジオもねー」、ましてや「パチンコ」や「競輪」「競馬」もねー時代です。人々の娯楽といえば「一杯やる」ことくらいでした。明治政府はこれに目をつけ、人々の娯楽である「酒」に大増税したのです。当然、日本酒や焼酎は値上がりします。
さあそうなると、大衆も考えます。「日本酒や焼酎が高くなった、じゃあビール飲もうっと!」。当然です、ラーメンとうどんが同じ値段だったのにうどんだけべらぼうに値上がりしたら、「うどんやめてラーメン食べよう」って考えになります。そんな事でみんながビールに鞍替えすると、酒税の徴収率は下がります。
「じゃあビールにも大増税だ!」、最終的にビールにもべらぼうな税金がかけられてしまいます。おまけに「たくさん製造できるデカイ設備を持った会社じゃないと、ビールは作ってはダメ!」みたいな決まりまで出来てしまったので、地方でチビチビと「エール」を作っていた小規模なビール工場は、廃業を余儀なくされます。こうして、キリンなどの大企業のみが「ラガー」をバンバン製造する時代が始まり、日本から「エール」は消えてしまいました。
その甲斐あって、日本は「製鉄所」も「鉄道」も「造船所」も作る事が出来た、「電気」「ガス」「電話」も通せた、「日清・日露の戦争にも勝った」、いいこと尽くめです。
そして時は流れて戦後、国も豊かになっていきます。当然、「酒」だけに依存していた人々の娯楽も多様化し、酒税の徴収率は下がります。また、国民の発言力が高まり、「酒」という特定のものだけにべらぼうに課税する事に対して批判が高まります。
その結果、主に東北・北陸・九州など地方で製造されている「日本酒」や「焼酎」は、地方活性化の一環として税率は下がりました。しかし、主に大都市圏で製造されているビールに対しては、引き続き高い税率が維持されます。こうして、なし崩し的に現在まで「ビールは高い」状態が続いているのです。
その後、ビールの亜種である「発泡酒」にも増税され、今後は「第3・第4のビール」にも照準が当てられる事でしょう。ヨーロッパでは「水」同然に扱われるビールに高い課税がされるのは、いかがなものでしょう?
とは言え、やはりビールはうまいです。たとえ500ml缶が1000円になったって、需要はあり続けるでしょう。まあそうなったら、私はチューハイ飲みますが・・・。
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